紫外線による殺菌

紫外線やオゾンは人体に対して有害であり、使用する場所や状況を考慮する必要があります。また、除菌に紫外線照射やオゾンを用いると、その間は部屋に入れないなどのデメリットがあり、機器も大掛かりで高額となるため、導入できる施設は病院などの特殊は範囲に限定されます。

しかし、エアピュアの技術を用いると、紫外線とオゾンによる高い除菌力を維持しながら、人体には影響が及ばないレベルまでオゾン濃度を下げることが可能になります。

高い除菌力と手軽さを両立させた空気清浄機を開発することができます。

紫外線殺菌の効果と距離の関係

エアピュアの最高技術責任者である徳田は、現場に応じた紫外線ランプによる水の殺菌装置(クーリングタワーのレジオネラ菌対策、鳥取教育委員会学校のプール水殺菌、灘五郷宮水殺菌、水耕栽培用循環水殺菌等)を多数製作してきました。

その経験から言うと、紫外線による殺菌には有効距離があり、ランプと殺菌対象の距離を間違えると、紫外線ランプのパワーが強くても効果が落ちてしまいます。

以前に製作した水殺菌装置は流水型のため、ハイパワーの直管ランプを使用して、かなり強力な紫外線を照射していました。しかし、実際はランプから離れると、紫外線が届いていても有効距離から外れるため、パワーが落ちて効果が減少していました。

紫外線ランプの有効距離

空気清浄機の開発にあたっては、それまでの経験を基に、紫外線ランプの筒の中に部屋の空気を吸い込み循環させて、ウイルスや化学物質を不活性化するための仕組みを考案しました。

この方法であれば部屋全体の空気が循環するので、陰になった部分(ベッドや本棚・タンスの裏面など)除菌も可能になります。

紫外線殺菌と波長の関係

生物に紫外線を照射すると、細胞内のDNAやRNAを損傷することができます。ウイルスの除菌や消毒は、この効果によって得られますが、紫外線はウイルスに限らず人体にも影響があるため、慎重に扱う必要があります。

紫外線の波長区分は以下の種類があり、それぞれ特性が異なります。波長253.7nmの紫外線は一番殺菌力が強く、直射日光にも含まれる波長350nmの約1600倍もの殺菌力があります。

UV-A 400nm ~ 315nm
UV-B 315nm ~ 280nm
UV-C 280nm ~ 100nm

紫外線照射は病院や工場の空気中に浮遊するウイルス類や、飛沫、粉塵を消毒するために行いますが、紫外線を長時間受けると目や皮膚に影響が出るため、紫外線の許容限界値基準(TLV)が、JIS Z8812「有害紫外放射の測定方法」によって定められています。

紫外線によるウィルス不活性化については様々な研究が行われています。

一般的な紫外線殺菌灯は、一番殺菌力の強い253.7nm前後の波長を用いますが、波長がさらに短い222nmであれば、あまり人体に影響を与えずにウイルス殺菌が可能という発表もありました。

波長が長い紫外線は、低エネルギーでも皮膚の深くまで到達しますが、波長が短い紫外線を使うと、強エネルギーでも皮膚に浸透しにくくなることが理由でしょう。

構造的にはハロゲンタイプなので、パワー的には問題はないと思われます。しかし、紫外線ランプ開発の折にいくら眼鏡をかけて防御しても、漏れた紫外線が当たるとひどい日焼けのようになって、パサパサ皮がむけた記憶があります。

先日発表された222nmの装置を見たときは、直接照射による殺菌は危険が伴うのではないかという疑問点が生じました。