エアピュアでは、モバイルバッテリーや電池、USBなど各種電源で駆動する紫外線除菌消臭装置の設計開発を行っています。
電源は100VのACアダプターをはじめ、単三電池や9Vの角型電池、スマートフォン用モバイルバッテリー、USB給電などに対応可能です。
電池・バッテリー駆動の紫外線除菌消臭装置は、電源コンセントがない場所でも手軽に除菌・消臭を行えるため、従来では対応できなかった様々なシーンで活躍が期待されています。
ポータブル紫外線除菌消臭装置の開発事例
紫外線ランプを除いたユニット部分には、ランプ点灯用のインバーターや安定器が搭載されています。
ランプやバッテリーを含めた除菌消臭ユニットはコンパクトなサイズに収まり、設計次第では小型の除菌消臭ボックスや、フードデリバリー用のバッグに入る除菌ユニットなども制作可能です。
また、ファンを取り付けて空気を対流させれば、装置内をくまなく除菌することができます。
試作中のユニットに、ACアダプター、9Vの角型電池、スマートフォン用モバイルバッテリーを接続してみました。
一般的な100VのACアダプターであれば、紫外線ランプは問題なく点灯します。
電池やバッテリーで駆動
続いて9Vの角型電池を接続します。以前に角型電池を用いた除菌ユニットを開発しており、今回の小型紫外線ランプユニットはその経験を活かして、バッテリー等でも駆動するように設計しています。
スマホの充電に使われるモバイルバッテリーでも紫外線ランプが点灯しました。駆動電圧と電流についてはさらなる検証が必要ですが、USBに接続できればPCやモバイル機器を電源にすることも可能です。
紫外線装置の設計開発 小型・高効率
電池・バッテリー駆動紫外線除菌消臭装置の設計開発には、小型化、高効率、安全性という3つの主要な課題があります。
装置の小型化と性能の両立 部品の配置
携帯性を重視するためには装置の小型化と、十分な除菌・消臭性能を確保する必要があります。限られたスペースの中で、紫外線ランプ、バッテリー、制御回路などを効率的に配置する設計技術が求められます。
例えば、基板の小型化、部品の集積化、消費電力の低い回路設計などが重要になります。
消費電力の抑制 バッテリー駆動時間の最大化
バッテリー駆動時間を最大化するためには、消費電力の抑制が重要な課題となります。高効率な紫外線光源の選定、電力効率の高い回路設計、電力管理技術の導入などが求められます。
例えば、効率の高いトランスやインバーターの使用、バッテリーの最適化などが挙げられます。
安全性の確保 紫外線曝露リスクの低減
紫外線は人体に有害な影響を与える可能性があるため、安全性の確保は最重要課題です。
紫外線曝露リスクを低減するため、照射時のロック機構や使用時の注意喚起表示、適切な波長の選択などが求められます。特に、UVC(深紫外線)は殺菌効果が高い反面、人体への影響も大きいため、安全設計が不可欠です。
紫外線ランプの選定
紫外線光源には、従来の紫外線ランプと、近年普及が進んでいる紫外線LEDがあります。それぞれの特性を理解し、用途に合わせて適切な光源を選択することが重要です。
オゾン発生型紫外線ランプ
紫外線ランプは、比較的安価で高出力の紫外線を得られるというメリットがあります。
殺菌ランプに用いられる紫外線はUV-Cと呼ばれ、波長254nmの紫外線によって殺菌を行いますが、このランプは殺菌線(波長253.7nm)と、オゾンを発生させるオゾン線(波長184.9nm)を照射することが可能です。
紫外線だけでなく、オゾンを併用することで、強力な除菌消臭を行うことができます。また、オゾンはしばらくすると酸素に戻るため、除菌の際に薬剤が残留する心配はありません。
しかし、壊れやすく寿命が短い、水銀を使用しているなどのデメリットもあります。また、オンオフの切り替えに時間がかかる点も、バッテリー駆動型装置には不向きな要素です。
紫外線LED 小型で高効率
紫外線LEDは、小型で長寿命、オンオフの切り替えが速い、水銀を使用していないなどのメリットがあります。
近年、技術の進歩により、出力も向上しており、紫外線ランプに代わる光源として注目されています。特に、UVC LEDは、小型ながら高い殺菌効果を発揮するため、ポータブル除菌装置に最適です。
電池・バッテリーの電力管理 駆動時間と性能を最大化
バッテリー駆動時間を最大化するためには、効率的な電力管理が重要です。
電池やバッテリーの種類と特性
小型の電池は単3電池、単4電池、9Vの角形電池などがあり、バッテリーはリチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの種類があります。
それぞれの特性(容量、放電特性、寿命、安全性など)を理解し、用途に合わせて最適なバッテリーを選択します。近年では、エネルギー密度が高く、軽量なリチウムイオン電池が主流となっています。
電力効率の最適化 回路設計と制御技術
電力効率を最適化するためには、電源回路の設計が重要です。電力効率の高いトランスやインバーター、効率の高いDC-DCコンバータを使用したりすることで、バッテリー駆動時間を延ばすことができます。
また、照度センサーを用いた自動制御などを導入することで、無駄な電力消費を抑えることができます。
バッテリーの充電制御と寿命
バッテリーの充電制御は、安全性と長寿命化に大きく影響します。過充電、過放電、過熱などを防止する保護回路を組み込むことで、バッテリーの安全性を確保し、寿命を延ばすことができます。
適切な充電方式(定電流充電、定電圧充電など)を選択することも重要です。
オゾン発生型紫外線ランプの応用範囲
ポータブル除菌消臭装置は電源の種類を問わず、小さなスペースや密閉された空間でも駆動するため、一般的な紫外線ランプと比べて応用範囲はかなり広くなります。
組み込み型の紫外線ランプユニットは、除菌ボックスや消臭ボックスだけでなく、デリバリーバッグに組み込んだり、靴箱やロッカー、食品保管庫、カラオケ用マイクスタンドなど、様々な用途で使えます。
また、紫外線を用いた除菌には欠点があり、紫外線が当たらない部分には効果がありませんが、小型のファンを付ければオゾンが拡散するので、隅々まで除菌することができます。
紫外線除菌消臭装置の市場動向
市場には、様々な型紫外線除菌消臭装置が登場しています。
例えば、スマートフォンに取り付けて使用する小型のスティック型除菌器、持ち運びやすいハンディタイプの除菌器、室内の空間除菌に使用する据え置き型などがあります。
これらの製品は、紫外線LEDの技術革新やバッテリー技術の進歩により、小型化、高出力化、長寿命化が実現されています。
- スティック型: スマートフォンやドアノブなど、特定の対象物を手軽に除菌できます。
- ハンディタイプ: 持ち運びやすく、外出先や旅行先での除菌に便利です。
- 据え置き型: 室内空間の除菌に適しており、空気清浄機と一体化した製品もあります。
紫外線LEDの高出力化、高効率化、低価格化が進むにつれて、性能向上と低価格化が進むでしょう。また、バッテリー技術の進歩により、使用時間の大幅な向上も期待されます。
紫外線・オゾン応用機器の設計開発
エアピュアでは、過去に紫外線やオゾンを活用した空気清浄機や、医療機関・食品工場向けの流水型水殺菌装置・除菌防臭機器を多数製作してきました。
その経験を活かして、自社製品の開発販売だけでなく、紫外線とオゾンを活用した小型殺菌消臭ユニットの設計開発や、除菌防臭機器の設計開発受託、機器の製造販売、OEM生産も行っています。
紫外線・オゾン応用機器: 紫外線・オゾン応用機器の設計開発受託
流水型紫外線水殺菌装置: 流水型紫外線水殺菌装置 水の殺菌・水質管理
UV照射装置の設計開発: 紫外線硬化樹脂向けUVランプ・UV照射装置の設計開発
電池・バッテリー駆動型: 電池・バッテリーを用いた紫外線除菌消臭装置の設計開発
紫外線ランプ・電源回路・インバーターの設計開発受託
紫外線ランプ・CCFL・電源回路・インバーターの設計開発受託も行っています。長年にわたり、紫外線・オゾン応用機器の設計開発に携わる経験豊富なエンジニアが対応いたします。お気軽にご相談ください。
紫外線ランプ・電源回路・インバーター: 紫外線(UVC)ランプ・電源回路・インバーターの設計開発受託
CCFL電源・インバーター: CCFL電源・インバーターの設計開発委託