マイナスイオン発生器の設計開発

エアピュアでは、空気清浄機や美容理容機器、組み込み用マイナスイオン発生器の設計開発を行っています。

マイナスイオン発生器は、電極間に高電圧をかけることでコロナ放電を起こし、空気中の分子をイオン化してマイナスイオンを生成します。

マイナスイオン発生器は、空気清浄機や美容・理容機器、ドライヤーなどの家電製品に使われており、空気清浄機+オゾン発生器 カムフォールド Comforldにも、弊社のマイナスイオン生成技術が組み込まれています。

エアピュアでは、その製品に合ったイオン濃度や安全性を考慮した放電方式・電源の選定だけでなく、製品化に必要な回路設計、プラ成形部品・金属パーツの設計開発までご提案できます。

長年にわたり、紫外線・オゾンの応用機器や、マイナスイオン発生器の設計開発に携わってきた経験豊富なエンジニアが対応いたします。お気軽にご相談ください。

マイナスイオン発生器 放電方式の選定

マイナスイオン発生器 放電方式の選定

マイナスイオンの生成方法にはいくつか種類があり、必要なイオンの発生量や用途に応じて、コロナ放電方式や電子放射式、水破砕方式、放射性物質利用式の4種が用いられます。

コロナ放電方式のマイナスイオン発生器は、電極間に高電圧をかけることでコロナ放電を起こし、空気中の分子に電子を付与することで、負電荷を帯びたイオン(マイナスイオン)を生成します。

マイナスイオン発生器の基本的な仕組みは、高電圧を利用した微小な放電を起こし、その際に生じる自由電子を空気分子に結合させることにあります。

マイナスイオンを効率的・安定的に生成するためには、用途に合わせた放電方式の選定と、適切な電源を選ぶことが重要です。

コロナ放電方式

コロナ放電方式のマイナスイオン発生器は、最も一般的なマイナスイオン生成の方式で、比較的簡易な構造で実現できます。

針状の電極にマイナスの高電圧をかけてコロナ放電を発生させ、放出された電子が空気中の酸素や水分子と結びつくことでマイナスイオンを生成します。

コロナ放電は高電圧によって電極の周囲の電界が振動し、気体の分子が分離してイオンと原子が発生します。これは自然の滝で見られる「レナード効果」と同じ原理です。

  • メリット:構造がシンプル、コストが抑えやすい、安定してマイナスイオンを生成できる。
  • デメリット:微量のオゾンが発生するため、設計・運用時にはオゾン濃度を抑える工夫が必要。

バリア放電方式(DBD: Dielectric Barrier Discharge)

電極間に誘電体(セラミックスやガラス)を挟み、直接的な火花放電を防いだ状態で高電圧を印加する方式です。短パルスの高電圧印加によってプラズマ放電を制御しながら、マイナスイオンを生成できます。

  • メリット:オゾン発生量や放電ノイズをコントロールしやすく、特定用途向けに最適化しやすい。
  • デメリット:構造がやや複雑で、製造コストや設計の難易度が高くなる。

高周波放電方式

高周波の交流電圧を印加することで、安定した放電環境を確保する方式です。周波数をコントロールすることでマイナスイオンの生成効率を高め、エネルギー消費を抑えることができます。

  • メリット:マイナスイオン生成効率が高まり、小型・省エネ化に寄与しやすい。
  • デメリット:高周波回路設計やノイズ対策が必要なため、設計・評価の手間が増える。

マイナスイオンの発生量

マイナスイオン発生器の性能で重要な要素の一つが「イオンの発生量」です。

イオン発生量が多いほど、お部屋の広い範囲で効果を得られます。また、飛距離が長ければ長いほど、部屋全体にマイナスイオンを行き渡らせることができ、空気を効果的に清浄化できます。

マイナスイオンの静電集塵による空気清浄機能

コロナ放電はマイナスイオン生成だけでなく、微粒子帯電による集塵にも応用できます。

マイナスイオンを帯電粒子に付与し、集塵極で捕集することで、フィルターレスの空気清浄機を作ることができます。

エアピュアの空気清浄機+オゾン発生器 カムフォールド Comforldは、マイナスイオンによる静電集塵機能を組み合わせることで、花粉やPM2.5などを除去することができます。

マイナスイオン発生器 電源の設計開発

マイナスイオン発生器 電源の設計開発

マイナスイオン発生器の性能を最大限に引き出すには、電源の設計開発が欠かせません。イオン生成用の電源は、高電圧を安定供給し、安全性・効率性・小型化・ノイズ対策をバランスよく満たす設計が求められます。

エアピュアでは、紫外線ランプ向けの電源回路や、インバーターの設計開発受託を行ってきました。その豊富な経験を活かし、マイナスイオン発生器向け電源の設計開発を行っています。

トランス・コイルなど部品の選定や、規格対応、耐久性の評価などを重ねることで、信頼性を確保した高品質なマイナスイオン発生器を実現できます。

高電圧電源の役割

マイナスイオン発生器は、主にコロナ放電などの方式でイオンを生成します。この際、数kVから数十kV程度の高電圧が電極間に印加されます。電源は、この高電圧を安定的かつ連続的に供給するための心臓部といえます。

電源が不安定だと、放電が不均一になり、イオン生成効率や濃度が変動します。また、過電流や過電圧などの異常状態で電源が適切に保護されないと、装置故障や安全リスクが発生します。

安定した高電圧生成と省エネ

一定の電圧レベルを維持するためには、フィードバック制御やレギュレーション回路の設計が必要です。電圧安定度が高いほど、イオン生成量のバラツキを抑えられます。

効率の悪い電源は発熱を招き、冷却機構や耐熱部品が必要になるなど、全体コスト上昇につながります。高周波スイッチング電源や高効率トランスを活用することで、発熱と電力ロスを抑制できます。

安全性と絶縁対策

高電圧を扱うため、規格に適合した絶縁設計やクリアランス、クリーピングディスタンス(絶縁距離)の確保が必須です。トランスの選定や樹脂コーティング、封止材の使用などでリークやスパーク対策を行います。

ノイズ EMC/EMI対策

高電圧発生はスパイクノイズや電磁干渉(EMI)の発生源となりがちです。チョークコイル、シールドケース、グランド設計などによるEMC対策は、他の電子機器への影響を軽減します。

電源回路の小型化・軽量化

組み込み機器や小型デバイス向けマイナスイオン発生器では、電源の小型・軽量化も求められます。そのためには高周波電源変換技術やスイッチング電源ICを活用すること、電圧・電流の調整、トランスやコイルのサイズ縮小が重要になります。

オゾンの抑制

放電方式でマイナスイオンを発生させる場合、高電圧放電により微量のオゾンが発生します。

通常はオゾン吸着フィルターなどでオゾン発生量を低減しますが、エアピュア独自の技術により、放出するオゾンを強力なコロナ放電システムによって除去することができます。

マイナスイオン発生器 オゾンの抑制

空気清浄機+オゾン発生器 カムフォールドでは、赤い電極部分で高電圧のコロナ放電を発生させ、出口側の放電によってオゾンを除去しています。

マイナスイオン発生器の設計開発ご相談ください

マイナスイオン発生器の設計開発は、放電方式の選定、ノイズ対策、オゾン抑制、小型化・省電力化、そして顧客ニーズへの対応などが必要になります。

また、マイナスイオン発生器の性能を最大限に引き出すには、電源の設計開発が欠かせません。高電圧を安定供給し、小型化・ノイズ対策をバランスよく満たす設計が求められます。

長年にわたり、マイナスイオン発生器の設計開発に携わってきた経験豊富なエンジニアが対応いたします。お気軽にご相談ください。