オゾンとオゾン層の発見

オゾンとオゾン層の発見

オゾン(O3)は独特の刺激臭を持つ気体で、ドイツ人化学者シェーンバインによって発見されました。シェーンバインはオゾンが酸素から形成されることを知り、その独特な臭気から「オゾン」と命名しました。

もし地球にオゾンがなければ、地球上に生物は存在できません。オゾン層が太陽からの有害な紫外線(UV-B、UV-C)を吸収して、地球上の生態系を守っています。

産業でもオゾンの応用分野は広く、脱臭・除菌技術、水処理、半導体製造など、様々な分野でオゾンが活用されており、その研究は今も続けられています。

オゾンを知る: オゾンとは何か その性質と効果

シェーンバインによるオゾンの発見

オゾン発見者 シェーンバイン

オゾン(O3)は独特の刺激臭を持つ気体で、その存在は18世紀末から観測されていました。

一例として、雷雨の後に感じる特有の臭気の原因物質はオゾンであると推測されていましたが、当時の科学技術では、この気体を分離・特定することはできませんでした。

オゾンが正式に発見されたのは、1839年のことです。ドイツの化学者クリスチャン・フリードリヒ・シェーンバインが、水の電気分解実験中に特有の臭気を放つ気体を発見しました。

また、電気火花放電の実験でも同様の臭気が発生することを確認しました。

この気体について詳細な実験を行った結果、この臭気を放つ気体は酸素とは異なる性質を持ち、強力な酸化力を持つことが明らかになりました。

シェーンバインは、この気体が新しい元素の酸化物であると考え、詳細な研究を行いました。この発見は、1840年にフランス科学アカデミー誌に掲載され、広く知られるようになりました。

オゾンの語源 由来はギリシャ語ozein

オゾンという名前はその独特な臭いに由来しており、発見者であるシェーンバインによって、ギリシャ語の「ozein(臭う)」にちなんで名付けられました。

この名前は、1840年に発表された彼の論文によって広く知られるようになりました。

オゾンの化学式はO3であり、3つの酸素原子から構成されています。酸素(O2)とは異なり、オゾンは不安定な分子であり、強い酸化力を持つことが特徴です。

オゾン発見者 シェーンバインの業績

シェーンバインはドイツ生まれのスイスの化学者で、オゾンの発見者として広く知られています。彼の業績はオゾンの発見にとどまらず、綿火薬(ニトロセルロース)の研究など多岐に渡ります。

シェーンバインは、1799年にドイツのメッツィンゲンで生まれ、幼い頃から科学に興味を持っていました。

シェーンバインはエアランゲン大学で化学を学び、その後、様々な大学で教鞭を執りました。初期の研究では、金属の腐食や電気化学現象などについて研究を行っています。

シェーンバインはオゾン発見後も、その性質や生成方法について研究を重ね、さらにオゾンの応用についても研究を行い、医療分野や工業分野で活用されるようになりました。

オゾンの発見は、偶然の発見が科学の進歩に大きく貢献した好例と言えます。

オゾン層の発見と地球環境への影響

オゾン層の発見と地球環境への影響

オゾン層は太陽からの有害な紫外線(UV-B、UV-C)を吸収して、地球上の生物を紫外線から保護する重要な役割を果たしています。

1881年にアイルランドの化学者ウォルター・ハートレイが、実験によって紫外線がオゾンに吸収されることを発見しました(ハートレー帯吸収)。

続いて1913年に、シャルル・ファブリと、アンリ・ビュイソンのフランス人科学者によってオゾン層が発見され、その後の1920年に科学的測定によって、オゾン層の存在が証明されています。

オゾン層保護の取り組みと国際協力

紫外線を防ぐオゾン層

オゾン層破壊の問題に対処するため、国際社会では様々な取り組みが行われています。

以前はフロンなどの化学物質によってオゾン層の破壊が進み、地表に到達する紫外線量が増加し、皮膚がんや白内障などの健康被害や、生態系への影響が懸念されていました。

1985年に採択されたウィーン条約、そして1987年に採択されたモントリオール議定書は、オゾン層保護のための国際的な枠組みを定めた重要な条約です。

モントリオール議定書では、オゾン層破壊物質であるフロン(CFC)などの生産と使用が段階的に規制され、その効果によってオゾン層は徐々に回復しており、南極のオゾンホールも縮小傾向にあるとされています。

オゾン層 参考記事: オゾン層とオゾンホール 破壊から回復への取り組み

オゾンの活用 脱臭・除菌から産業利用まで

オゾンの発見後、オゾンに関する研究はどんどん進展しました。特に、オゾン層の発見とその役割の解明は、地球環境科学の分野に大きな貢献をもたらしました。

また、オゾンの強力な酸化力を利用した脱臭・除菌技術や、水処理、半導体製造などの産業応用も開発され、現代社会においてオゾンは様々な分野で活用されています。

オゾンの脱臭効果

オゾンは、悪臭の原因となる物質を酸化分解することで、脱臭効果を発揮します。

この効果は、タバコの臭い、ペットの臭い、生ゴミの臭いなど、様々な臭いに対して有効です。例えば、ホテルや病院の客室、ゴミ処理施設などでオゾン脱臭機が使用されています。

オゾンの除菌・殺菌効果

オゾンは、細菌やウイルスなどの微生物を不活化する効果があり、医療機関の手術室や病室、食品工場の製造ラインなどで活用されています。

オゾン水による洗浄や、オゾンガスによる空間除菌などがその例です。

オゾンの産業利用 半導体製造や水処理など

オゾンは、半導体製造におけるウェハーの洗浄や、水処理における浄水・排水処理など、様々な産業分野でも活用されています。

オゾンは、塩素などの他の消毒剤に比べて、残留性が低く、環境への負荷が少ないという利点があります。

紫外線・オゾン機器・電源の設計開発

紫外線ランプ スーパーバックヤード

エアピュアでは、過去に紫外線やオゾンを活用した空気清浄機や、医療機関・食品工場向けの流水型水殺菌装置・除菌防臭機器を多数製作してきました。

その経験を活かして、自社製品の開発販売だけでなく、紫外線とオゾンを活用した小型殺菌消臭ユニットの設計開発や、除菌防臭機器の設計開発受託、機器の製造販売、OEM生産も行っています。

紫外線・オゾン応用機器: 紫外線・オゾン応用機器の設計開発受託

流水型紫外線水殺菌装置: 流水型紫外線水殺菌装置 水の殺菌・水質管理

UV照射装置の設計開発: 紫外線硬化樹脂向けUVランプ・UV照射装置の設計開発

電池・バッテリー駆動型: 電池・バッテリーを用いた紫外線除菌消臭装置の設計開発

紫外線ランプ・電源回路・インバーターの設計開発受託

紫外線ランプ・CCFL・電源回路・インバーターの設計開発受託も行っています。長年にわたり、紫外線・オゾン応用機器の設計開発に携わる経験豊富なエンジニアが対応いたします。お気軽にご相談ください。

紫外線ランプ・電源回路・インバーター: 紫外線(UVC)ランプ・電源回路・インバーターの設計開発受託

CCFL電源・インバーター: CCFL電源・インバーターの設計開発委託