紫外線は、太陽光に含まれる不可視光線の一つで、波長によってUV-A、UV-B、UV-Cに分類されます。
日焼けやシミの原因となるUV-B、除菌消臭に使われるUV-Cはよく知られていますが、紫外線はその特性を活かし、産業や工業だけでなく、私たちの生活の様々な分野で応用されています。
エアピュアでは、紫外線応用機器やUV照射装置の設計開発、紫外線(UVC)ランプ・電源回路・インバーターの設計開発受託を行っております。お気軽にご相談ください。
紫外線技術の身近な活用事例
紫外線の応用範囲は、産業・工業向け水処理から家庭用殺菌機器、UV-LED照明まで多岐に渡ります。
紫外線の光源には、水銀ランプ、キセノンランプなどが用いられます。近年では紫外線LEDも普及しており、波長幅が狭く、特定波長域での放射効率が高いという特徴があります
紫外線は、最先端研究においても注目を集めています。深紫外線LEDやナノテクノロジー、宇宙分野など、未来への可能性を秘めた技術として研究が進められています。
空気清浄機・紫外線殺菌機器
紫外線、特にUV-Cは、細菌やウイルス、カビなどの微生物のDNAを破壊し、不活化する効果があります。これによって室内の空気や物体表面の除菌が可能となり、衛生的な生活空間を実現します。
例えば、ハンディタイプのUV除菌器は、スマートフォンやドアノブ、トイレなど、気になる場所を手軽に除菌できます。また、空気清浄機にUV-Cランプを搭載することで、空気中の浮遊菌を除菌する製品も普及しています。
学術機関の検証でも、UV-C照射による新型コロナウイルスをはじめ、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなど、多くのウイルスに対して不活化効果が確認されています。
これは、特定の波長の紫外線が微生物の核酸に作用し、増殖能力を奪うためです。
紫外線による水処理 安全な水の確保
紫外線を用いた流水型殺菌装置は、食品工場や医療機器の洗浄装置に用いられます。
また、水道水やプール、入浴施設などの殺菌にも利用されています。塩素消毒に比べて、残留塩素臭がなく、トリハロメタンなどの有害な副生成物を生成しないというメリットがあります。
紫外線はクリプトスポリジウムなどの塩素耐性を持つ原虫にも有効です。これは、紫外線が微生物のDNAに直接作用するため、薬剤耐性の影響を受けないためです。
深紫外線UV-LEDランプ
従来の紫外線ランプに代わり、近年普及が進んでいるのがUV-LEDです。UV-LEDは小型で長寿命であり、特定の波長の紫外線を効率よく照射できるため、様々な用途に最適化された製品開発が進んでいます。
従来の殺菌除菌だけでなく、虫を引き寄せる紫外線の性質を利用した捕虫器にもUV-LEDが利用されています。また、UV-LEDは、樹脂の硬化やインクの乾燥など、産業用途でも広く活用されています。
従来の紫外線ランプに比べて発熱が少ないため、熱に弱い素材への応用も可能です。
従来の紫外線ランプに比べて、小型で高効率な深紫外線LEDの開発も進んでいます。深紫外線は、より強力な殺菌効果を持つため、医療分野や環境分野など、新たな応用分野の開拓が期待されます。
製造・加工業向け紫外線の応用技術
紫外線は、製造業や加工業においても重要な役割を果たしています。高効率な製造プロセスや高精細な印刷技術、製品の高機能化に貢献しています。
樹脂やインク向け紫外線硬化技術
紫外線硬化技術は、UV硬化樹脂に紫外線を照射することで、瞬時に硬化させる技術です。この技術は、塗料、接着剤、インクなど、様々な分野で活用されています。
従来の熱硬化に比べて、乾燥時間が大幅に短縮され、生産効率の向上に貢献します。例えば、自動車部品の塗装やスマートフォンのコーティングなど、短時間での大量生産が求められる分野で広く採用されています。
UVインクジェットプリンター
UVインクジェットプリンターは、紫外線照射によってUV硬化インクを瞬時に硬化させるプリンターです。従来のインクジェットプリンターに比べて、乾燥時間が短く、様々な素材に高精細な印刷が可能です。
これにより、看板、ポスター、パッケージなど、幅広い用途で利用されています。また、UVインクは耐候性、耐水性に優れているため、屋外で使用する印刷物にも適しています。
紫外線を利用した表面改質
紫外線照射によって、材料の表面特性を改質する技術も注目されています。例えば、金属表面の耐食性向上や、樹脂表面の密着性向上などが可能です。これにより、製品の耐久性や機能性を高めることができます。具体的には、自動車部品の表面処理や、医療機器の滅菌処理などに活用されています。
医療・衛生分野の紫外線応用技術
紫外線は、医療分野においても診断や治療に活用されています。医療機器の滅菌から皮膚疾患治療まで、その応用範囲は広いです。
紫外線殺菌で医療機器を殺菌 院内感染のリスク低減
医療現場では、医療機器の滅菌は非常に重要です。紫外線殺菌は手術器具や内視鏡など、熱に弱い医療機器の滅菌に有効です。これによって院内感染のリスクを低減できます。
特に、UV-Cは、芽胞菌などの耐性菌にも効果を発揮します。
紫外線療法 皮膚疾患への応用
特定の波長の紫外線は、皮膚疾患の治療にも利用されています。例えば、乾癬やアトピー性皮膚炎などの治療に、UV-B療法やPUVA療法などが用いられます。
これは、紫外線が皮膚の免疫反応を調整する効果があるためです。ただし、紫外線療法は医師の指導のもとで行う必要があります。
紫外線を用いた血液照射療法で免疫力向上
近年、紫外線を用いた血液照射療法が注目を集めています。これは、血液に紫外線を照射することで、免疫力を向上させる効果が期待される治療法です。研究段階ではありますが、今後の発展が期待されます。
紫外線による水質浄化と大気浄化
紫外線は、環境保全にも貢献しています。水質浄化や大気浄化など、環境負荷低減に役立つ技術として注目されています。
紫外線を利用した排水処理
下水処理場などでは、紫外線を利用した排水処理が行われています。紫外線照射によって、排水中の微生物を不活化し、水質を浄化します。これにより、環境への負荷を低減できます。
特に、塩素消毒で問題となるトリハロメタンの生成を抑制できる点がメリットです。
UV-C光触媒による大気浄化と有害物質分解
光触媒に紫外線を照射することで、大気中の有害物質を分解する技術も開発されています。例えば、二酸化チタンなどの光触媒に紫外線を照射すると、活性酸素が発生し、有害物質を分解します。
この技術は、空気清浄機や建物の外壁などに応用されています。
また、紫外線を利用した環境モニタリング技術も開発されています。特定の波長の紫外線を照射し、反射光を分析することで、大気汚染物質や水質汚染物質の濃度を測定できます。
食品向け紫外線の応用技術 品質保持と安全性向上
紫外線は、食品の品質保持や安全性向上にも貢献しており、表面殺菌や鮮度保持、品質管理などに活用されています。
スーパーでは食品加工施設やバックヤードの除菌・消臭が重要です。厨房やまな板、調理台は常に清潔を保ち、表面除菌と落下菌防止対策が必要です。
また、スーパーでは大量のゴミが発生するため、ごみ置き場の消臭除菌、害虫対策も必要です。
紫外線殺菌による食品の表面殺菌 保存期間の延長
食品の表面に紫外線を照射することで、表面の微生物を殺菌し、保存期間を延長できます。例えば、パンやチーズなどの表面殺菌に利用されています。これにより、食品の品質を保持し、食品ロスを削減できます。
また、紫外線を用いた食品分析技術も開発されています。特定の波長の紫外線を照射し、透過光や反射光を分析することで、食品の成分や品質を迅速に測定できます。
野菜や果物の鮮度保持 品質劣化の抑制
野菜や果物に紫外線を照射することで、鮮度を保持する効果が期待できます。紫外線照射によって、野菜の呼吸を抑制し、品質劣化を抑えることができます。これにより、野菜の保存期間を延長し、流通コストを削減できます。
紫外線の安全性と注意点
紫外線を正しく安全に活用するためには、紫外線の影響と適切な対策を理解することが重要です。
紫外線の人体への影響 過剰な曝露のリスク
紫外線は、過剰に曝露すると人体に悪影響を及ぼす可能性があります。特にUV-Bは、皮膚のDNAを損傷し、日焼け、シミ、しわ、皮膚がんなどの原因となります。
また、目にも悪影響を及ぼし、白内障などの眼疾患のリスクを高めます。世界保健機関(WHO)も、紫外線の人体への影響について警告を発しており、適切な対策を推奨しています。
安全を確保するためにサングラスなどの保護具を使用して、対策を徹底しましょう。
紫外線機器 使用上の注意点
紫外線殺菌機器などを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 直接照射を避ける: 紫外線ランプを直視したり、皮膚に直接照射したりしない
- 適切な使用方法を守る: 各機器の取扱説明書をよく読み、正しい使用方法を守る
- 換気を行う: 紫外線照射中は、必要に応じて換気を行う
- 定期的なメンテナンス: ランプの交換など、定期的なメンテナンスを行い、機器の性能を維持する
紫外線・オゾン応用機器の設計開発
エアピュアでは、過去に紫外線やオゾンを活用した空気清浄機や、医療機関・食品工場向けの流水型水殺菌装置・除菌防臭機器を多数製作してきました。
その経験を活かして、自社製品の開発販売だけでなく、紫外線とオゾンを活用した小型殺菌消臭ユニットの設計開発や、除菌防臭機器の設計開発受託、機器の製造販売、OEM生産も行っています。
紫外線・オゾン応用機器: 紫外線・オゾン応用機器の設計開発受託
流水型紫外線水殺菌装置: 流水型紫外線水殺菌装置 水の殺菌・水質管理
UV照射装置の設計開発: 紫外線硬化樹脂向けUVランプ・UV照射装置の設計開発
電池・バッテリー駆動型: 電池・バッテリーを用いた紫外線除菌消臭装置の設計開発
紫外線ランプ・電源回路・インバーターの設計開発受託
紫外線ランプ・CCFL・電源回路・インバーターの設計開発受託も行っています。長年にわたり、紫外線・オゾン応用機器の設計開発に携わる経験豊富なエンジニアが対応いたします。お気軽にご相談ください。
紫外線ランプ・電源回路・インバーター: 紫外線(UVC)ランプ・電源回路・インバーターの設計開発受託
CCFL電源・インバーター: CCFL電源・インバーターの設計開発委託