UV-B 紫外線B波とは

UV-B(紫外線B波)は波長が280~320nmの紫外線で、地表に届く紫外線の中でエネルギーが高く、肌の表面に強い影響を与え、日焼けや皮膚の炎症を引き起こす原因となります。

また、UV-Bは波長が短いため、オゾン層によってある程度は吸収されるものの、完全には遮断されずに地表に到達します。日中の時間帯に特に強く、太陽が真上にある夏の時期に最も強くなります。

ここではUV-Bの特徴や肌へのリスク、そして効果的な対策方法を解説します。

UV-AやUV-Cの解説は、以下をご覧ください。

紫外線の波長と種類

光は電磁波の一種で、波長の短いものからγ線・X線・紫外線・可視光線・赤外線・電波に分類されます。

太陽からの光にも紫外線や可視光線が含まれており、その中で可視光線より波長が短い10~400nm(ナノメートル)範囲の光を紫外線と呼びます。

電磁波と紫外線・可視光線の波長

紫外線は波長によって以下の4種に分類され、UV-Aは主に日焼けの原因となり、UV-BはビタミンDの生成を促進し、UV-Cは殺菌やオゾンの生成といった用途で使われています。

  • 真空紫外線 (波長10〜200 nm)
  • UV-C (波長100〜280 nm)
  • UV-B (波長280〜320 nm)
  • UV-A (波長320〜400 nm)

UV-Bの波長と特性

波長が280~320ナノメートル(nm)の範囲に位置するUV-B (紫外線B波)はエネルギーが高く、表皮に強い影響を与えます。

UV-B(紫外線B波)の波長

この波長の紫外線は表皮の細胞にダメージを与え、DNA損傷を引き起こすことがあり、皮膚がんのリスクを高める要因ともなります。世界保健機関(WHO)によると、UV-Bは皮膚がん発症の主要な原因のひとつとされています。

UV-Bは肌に直接的な影響を与え、炎症反応やメラニンの生成を促進します。これによって肌は赤くなり、日焼けを引き起こすことがあります。

特に、夏の強い日差しの下での無防備な外出は、皮膚のダメージを大きくするリスクがあります。

UV-AとUV-Bの違い

UV-AとUV-Bの違い

紫外線は波長によってUV-A、UV-B、UV-Cという区分があります。肌や目に影響を及ぼす紫外線は、UV-AとUV-Bの2種類で、UV-Aは老化、UV-Bは炎症といった異なる影響をもたらします。

UV-Aは320~400nmの波長を持ち、UV-Aは肌の奥深くに到達して皮膚へのダメージやコラーゲンを破壊するため、シワやたるみを引き起こす光老化の原因となります。

一方で、UV-Bは波長が280–320nmと短いため、肌の表皮で止まって日焼けや炎症を引き起こすことが多く、特に夏場はUV-AとUV-Bの両方を防ぐ対策が必要です。

UV-B 紫外線の影響

UV-B 紫外線の影響

UV-Bは肌に様々な悪影響を及ぼします。短期間の照射であっても日焼け(サンバーン)を引き起こし、繰り返し受けることで皮膚がんのリスクも高まります。日常的な紫外線対策が肌の健康を守るために不可欠です。

肌の日焼けと炎症作用

UV-Bは肌の表皮に強い影響を与え、炎症を引き起こします。これにより、皮膚が赤くなる日焼け(サンバーン)が発生します。日焼けはUV-Bによる皮膚の炎症反応です。

炎症は体の免疫反応であり、ダメージを受けた細胞を修復しようとする働きです。炎症が進むと、メラニン生成が促進され、肌の防御機能が働きますが、これがシミの原因にもなります。

また、UV-BはDNAを直接損傷することがあります。この損傷が適切に修復されない場合、細胞の変異が進み、最悪の場合皮膚がんにつながる可能性があります。

特に、日焼けが頻繁に起こるとそのリスクが増します。1980年代から1990年代前半にかけてオゾン層が大きく減少した結果、UV-Bの影響が増大していることも懸念されています。

シミやソバカスの原因に

また、UV-Bはメラニン生成を促進し、シミやソバカスの原因となります。メラニンは紫外線から肌を守るための防御反応ですが、過剰な生成は色素沈着を引き起こし、肌の見た目に影響を与えます。

UV-Bによる目の影響

UV-Bは目の水晶体にも影響を与え、長期的には白内障の原因となることがあります。外出時にはUVカット機能付きのサングラスを使用することが推奨されます。

UV-Bの影響を防ぐ日焼け止め

UV-Bの影響を防ぐ日焼け止め

UV-Bの強度は季節や天候によって大きく変動します。特に夏の間は非常に強くなるため、日焼け止めによる対策が重要です。

UV-Bから肌を守るためには、SPFの高い製品を選び、こまめに塗り直すことが推奨されます。

SPFはUV-Bの防御効果を示す指標で、数値が高いほど防御効果が高いです。通常、日常生活ではSPF30、屋外活動ではSPF50が推奨されます。

屋外活動では、耐水性のある日焼け止めを選びましょう。汗で落ちやすいため、2時間ごとの塗り直しが推奨されます。

日焼け止めの紫外線吸収剤はUV-Bを吸収し、散乱剤は反射させます。どちらも有効ですが、敏感肌の方は刺激が少ない散乱剤を使用した製品が適しています。

SPFとPAの違い

SPFはUV-Bを防ぐ指標であり、PAはUV-Aを防ぐ指標です。SPFとPAの両方が表示された日焼け止めを使えば、UV-AとUV-Bどちらの紫外線にも対応できます。

UV-Bの影響が大きい季節と時間帯

UV-Bの量は季節や時刻によって変動します。春から夏にかけて紫外線量がピークを迎え、冬季でも約半分程度のUV-Bが降り注いでいるため、対策は必要です。

特に夏の正午前後、午前10時~午後2時までの時間帯に外出する際は、帽子や日焼け止めなどの対策が不可欠です。

UV-Bのガラス透過と対策

UV-Bは基本的には窓ガラスを通り抜けにくく、一般的な窓ガラスはUV-Bをほぼ遮断しますが、反射などで屋内にも影響が及ぶことがあります。そのため、窓辺で長時間過ごす場合には注意が必要です。

UVカットフィルムをガラスに貼ったり、ガラスとブラインドを併用すれば、室内でのUV-B対策が可能です。また、カーテンを閉めるなどの対策も効果的です。

UVカットフィルムは紫外線を90%以上カットする効果があり、特に日差しの強い部屋に有効です。ブラインドも紫外線の侵入を防ぐための手軽な方法です。

UV-B紫外線とビタミンD生成の関係

UV-BはビタミンDの生成に重要な役割を果たしています。ビタミンDはきのこ類や魚介類に多く含まれ、ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の形成を促進します。また、免疫力を高める効果もあります。

ビタミンD生成には、週に2~3回、10~15分程度の適度な日光浴が推奨されていますが、過剰にUV-Bを浴びると健康リスクを引き起こすため、バランスが重要です。

UV-BランプやLED

UV-Bは電球型蛍光灯や紫外線ランプが広く普及しています。UV-Bランプは280nm~の波長を放射する紫外線ランプで、殺菌や医療などの光源として使われています。

UV-B電球型蛍光灯は農業の分野で用いられ、直接照射による病害虫防除・抑制などの効果があります。一例として、イチゴに紫外線を照射して免疫機能を活性化させ、植物病害発生を抑えます。

また、最近は紫外線水銀ランプの代替として、UV-B LEDが使われるようになってきました。UV-B LEDはビタミンDの生成、植物の病気や害虫の抑制に効果があるとされています。

UV-B(紫外線B波)とは まとめ

UV-B(紫外線B波)は、日焼けや皮膚の炎症を引き起こす強力な紫外線で、適切な対策が不可欠です。日焼け止めの使用や屋内外でのUV対策を行い、健康を守るための行動を心がけましょう。

年間を通じて紫外線対策を怠らず、特にUV-Bの強い季節には十分なケアを行うことが大切です。

UV-AやUV-Cの解説は、以下をご覧ください。

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エアピュアでは、空気清浄機+オゾン発生器「カムフォールド」の設計開発をはじめ、過去に紫外線やオゾンを活用した、医療機関や食品工場向けの除菌防臭機器を多数製作してきました。

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